頭でっかちな人間・・

幼い頃から、利発で頭が切れると囃され
父親の清之介が病気で亡くなったため
元服まもなく18歳で家督を継いだ小四郎は

徳川御三家 尾張藩の市ヶ谷にある
上屋敷で用人手代見習いとして
経理や庶務に携わっていたが
上司の無能さといい加減さを
バカにし、呆れながらお役目を務めていた。

自分はこんな無能な者たちの下などに
いる人ではない・・・と思っていた。

そんなある日・・・

父の友人で遠縁にあたる者たちの
お供で祭りを見に出かけた先で
その友人が脇差を知らぬ間に盗まれるという
出来事に巻き込まれる。
降って沸いたような災難だったが
小四郎自身にも災いは及び
”御松茸同心”という国元での役目を
言い渡される。
それは、山流しと称される左遷だった。

若いという事は、自分の能力を
過信し実態と伴わないという事が
わからない時期なのだと思う。
夢幻の可能性があり夢もあるので
周りのゆるさが許せない時期なのだと思う。

小四郎は、わけもわからない松茸の
生態や山の実態などの現場に頬り出され
失望感と焦りでいっぱいだったろうと思う

でも、もともと出来のいい男だったので
どうしたらうまくいくのかと考え
さらに行動することによって
頭でっかちだった性格に
中味がプラスされていったのだと思う。

小四郎はきっといい男になるだろうと思う

何でもできると思う事と
実際出来て動ける事は違う事・・。

すべて塞翁が馬・・。

何が良くて何が悪いかは
その人の考え方次第なのだと思う。
評価:
朝井 まかて
徳間書店
¥ 1,782
(2014-12-10)


満たされない心・・・

花圃(かほ)は 20歳過ぎの頃
「藪の鶯」という小説を書いた・・。

明治の婦女子が小説を書いた
はじめての作品という事で話題になった。

三宅雪嶺夫人となって
何不自由ない生活の中にいても
まだ書ける、もっといい物が書けると
思ってもなかなか書くまでに至らなかった

そんな時・・・

幼い頃から通っていた歌塾「萩の舎」の
師の君である中島歌子が入院したという知らせが届いた

お見舞いに出かけた病院で 花圃は
かつて萩の舎に奉公していた女中の澄と
再会する・・。
そして、師から澄と二人で自宅に届いている
お見舞いの整理を頼まれる。
そして整理を始めた二人は、偶然に
師が書いたものを見つける。
何気なく読み始めた手記は、
師が江戸時代から明治に変わる激動の時代に生きた
壮絶な生き様が書かれていた。

大政奉還に揺れる世の中・・

その中で翻弄される人々・・
ただ逢いたい人と逢えぬまま
死に顔さえも見れないまま
生きるしかなかった人々・・。

たくさんの人に好かれようが
莫大なの財産を築こうが
満たされない心があると私は思う。

たった、ひとりの逢いたい人に
逢えなければ愛されなければ
一緒にいられなければ・・・

何一つも満たされないのだと私は思います



 
評価:
---
講談社
---
(2013-09-27)


猪鹿蝶・・

ぬけまいる・・・

”抜け詣り”といって
二進も三進もいかなくなったとき
柄杓一つ手に持ってお伊勢参りに行くこと
柄の長い柄杓を手にして旅をすると
親切にすれば功徳をつむということで・・
街道沿いの家々が親切に面倒を見てくれるという
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お以乃(おいの)は こんなはずじゃあ、なかった・・と
心が折れかけていた・・。
そんな時 幼馴染のお蝶とお志花も
”こんなはずじゃあ なかった”とつぶやいた。

何もかも放り出してしまいたくなり
三人は 抜け詣りに衝動的に出かけることに・・。

お以乃を以外は結婚していて
小さい頃から一緒に過ごしてきたはずの
「猪鹿蝶」と呼ばれた3人も・・・
しばらく会わないうちに、お互い 
いろいろな悩みを抱えていることを
旅に出てみて初めて気が付く・・。

今の現状を納得できなくて
何もかも捨てて旅にでたはずの3人も
旅先で出会った人を助けるうちに
自分の事を 落ち着いて考えられるようになる

自分がどんなに頑張ってきたか
自分にとってどれだけ家族が大事か
自分とは いったい何なのか・・。

悩みは・・・

煮詰まってしまうと堂々巡りで
悪い方にしか考えない物・・。
ちょっと環境をかえてもう一度
自分の事を 客観的に見直すことも
大事なのだと思えました

きっと・・・

「猪鹿蝶」の3人も江戸に帰った時
スッキリした気持ちで元の生活に
戻っていくのだろうと思います。

なんでもいいあえる女友達の3人を
羨ましく思いました。


 
評価:
朝井 まかて
講談社
¥ 1,575
(2012-10-30)


染井吉野・・

なずな屋は、主である花師の新次と
手習いの師匠をしていたおりん夫婦が
営む小体な店です。

ある時.・・

太物問屋の上総屋(かずさや)の
隠居の六兵衛から 快気祝いに
桜草の小鉢を引出物にしたいという
申し出を受けた・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・
朝井まかてさんの本を続けて読みました
両方とも江戸時代の物語でしたが
とても面白く読めました。
この本は、花師をいう職業をもつ新次と
(今でいう造園業と花屋さんを合わせたような感じでしょうか)
妻のおりんを中心に書かれた本ですが
他人の心を思うあまり寂しくなったり
先に進めなかったり 泣いたり・・・
それぞれの心の優しさや痛みが伝わってきて
泣きそうでした。
人を傷つけた事は 自分に返ってくるし
人を思う気持ちはいつか優しさとなって
自分を助けてくれるものなのだと感じました。

そして・・・

自分の進むべき道を見つけた時は
周りに遠慮せず突き進むべきなのだと思いました
それは、きっとたとえ辛い決断だとしても
進むことで周りを幸せに出来る可能性があるから・・。
いつか振り返った時 留まって後悔するよりも
進んで失敗したほうが 諦めもつくと思うから・・。

染井吉野という桜の名前に秘められた思いが
儚い桜の美しさに繋がっているのだと思いました。


 
評価:
朝井 まかて
講談社
---
(2008-10-21)


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